2012年9月5日水曜日

畜産から提供までを一貫で…こだわりのチーズ造り


 有明海を望む標高200メートルの山頂で、牛飼いからチーズ造りを一貫して行う玉名牧場(玉名市三ツ川、矢野希実代表)が今、食への意識が高い人を中心に注目を集めています。
 
 東京ドーム三つ分に相当する約14ヘクタールの草原で、ジャージー牛35頭を通年放牧。牛には穀物飼料や配合飼料は一切与えず牧草のみを食べさせています。乳用牛を通年放牧で飼育するやり方は全国的に見ても非常に珍しいケースで、昨年は全国から1,500人が見学に訪れました。



 高タンパクな餌を与えていないため乳量は少ないが牛が健康的に育ち、乳脂肪分が高く濃厚で風味豊かなのが特徴。乳牛の出産は全国平均で2~3回。しかし同牧場では11回出産した牛もおり、ほとんどが自然分娩だそうです。また、ふんは無臭で牧場独特の匂いもありません。

 以前は、出身地の北九州でエンジニアとして働いていた矢野代表(43)。25歳のときに友人が経営する農場で自然農法の野菜と出会い、その後、農家や牧場で働く中で輸入飼料に頼らない自然循環型の酪農がしたいと決意。12年前に現在地に入植しました。現在、従業員は4人。

 7年前に北海道でチーズ造りを学び、平成21年からカマンベールやクリームチーズなど4種類の生産・販売を開始しました。100グラムで千円以上の物もあるが数日で完売する勢い。今ではリピーターも増え売り上げも当初の倍になっている。他にも豚4頭、卵用鶏300羽を自然農法で飼育。無肥料・無農薬で旬の野菜や米も栽培しています。

 販売は電話注文やインターネットの他、イタリア料理店の「リストランテ・ミヤモト」を始めとする自然農法の野菜・肉を扱う飲食店、八百屋など10数カ所と契約。東京や関西方面の飲食店にも卸しており注文は増えているが、矢野代表は「大量生産せず絶対に質を落とさない。あくまでも地産地消を目指したい」と話しています。

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